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宮崎県高校入試ー国語|論理的思考力
こんなお悩みありませんでしょうか?
登場人物の心情なんて分からない。
だって、他人のことじゃないですか。
そんな風に思ったことはないでしょうか?
それは皆さんが、
完全なる罠にハマっている証拠です。
罠から逃れるにはどうしたら良いか?
国語の問題において、解答の根拠は全て本文中に存在します。
まず大前提として、
必ずこの事実を肝に銘じてください。
自分だったらこう思うな。を捨てる
実際、解答の根拠は全て本文中に存在するという点を忘れてしまった人の多くが、選択肢問題で点数を落としがちなのです。
特に、登場人物の心情を読み取る問題では、巧みな作問者の用意した不正解の選択肢に騙されやすくなります。
なぜなら、選択肢を最初に読んだ時に、本文から導いた「客観的な視点」ではなく、
「自分だったらこう思うな」という「主観的な視点」が邪魔して、思わずそれに従ってしまうからです。
主観的な視点とはどういうことか
この失敗のメカニズムを説明するために、以下の問題を解いてみてください。
例題
学校からの帰り道。私はいつものように、アオイの隣を歩いていた。
大好きなアイドルの話をしたり、夕日に照らされて伸びる長い影で遊んだり。
最後の分かれ道に着いた時も、私はいつもと変わらない同じ言葉を、アオイに言ってみせた。
「ばいばい」
Q.「ばいばい」と言った時の「私」の気持ちとして最も適当なものを選びなさい。
ア. アオイの転校を心から受け入れて、前を向きたいと思っている。
イ. 本当はアオイとお別れしたくないという、悲しい想いが溢れている。
選択肢を見て「アオイ」の転校という事実は察せると思いますが、
そこから皆さんは、どのようにして答えを選びましたか?
おそらく「私」の立場になって、色々と想像してどちらかの選択肢を選んだでしょう。
しかし、「想像」というのは国語の問題で決して導入してはいけない視点です!
だったら、この問題をどう解けばいいのかという話ですが、
…すみません、実はこの問題に正解はありません。
「正解を導き出す根拠が文中に登場していない」ため、問題として不適切なのです!
一体ここで何を伝えたいのかと言いますと、
点数という「平等」な「客観的評価」を測る国語の試験において、
「想像」のような「主観的」な視点で解く問題はあまり多く存在せず、
基本的には「客観的」な視点で答える問題が中心となるのです。
だからこそ、登場人物の気持ちや心情、筆者の主張を答えるような問題においては、
必ず文中に「論理的に考えてそうなる」という根拠となる情報が登場します!
例題解説
さて、今回の問題の元となっている文中に「私」の気持ちを示す表現はどこにあるでしょうか?
そのような情報は一切登場しておらず、そういう意味で問題として不成立となります。
しかし逆に、その情報1つ出た途端に、これは正しい問題として成立します。
解答の根拠とはどのようなものか
パターン1
学校からの帰り道。私はいつものように、アオイの隣を歩いていた。
大好きなアイドルの話をしたり、夕日に照らされて伸びる長い影で遊んだり。
最後の分かれ道に着いた時も、私はいつもと変わらない同じ言葉を、アオイに言ってみせた。
「ばいばい」
それは、私のいつもの日常とは程遠い、とてもか細い声だった。
Q.「ばいばい」と言った時の「私」の気持ちとして最も適当なものを選びなさい。
ア. アオイの転校を心から受け入れて、前を向きたいと思っている。
イ. 本当はアオイとお別れしたくないという、悲しい想いが溢れている。
パターン2
学校からの帰り道。私はいつものように、アオイの隣を歩いていた。
大好きなアイドルの話をしたり、夕日に照らされて伸びる長い影で遊んだり。
最後の分かれ道に着いた時も、私はいつもと変わらない同じ言葉を、アオイに言ってみせた。
「ばいばい」
とびっきりの笑顔で。両手を大きく振って。心の底から、大きな声で。
真っ直ぐに見つめる私の思いに応えるように、アオイはこくりと頷いてくれた。
Q.「ばいばい」と言った時の「私」の気持ちとして最も適当なものを選びなさい。
ア. アオイの転校を心から受け入れて、前を向きたいと思っている。
イ. 本当はアオイとお別れしたくないという、悲しい想いが溢れている。
どちらのパターンも、最後に少し文を付け加えただけですが、
パターン1では選択肢イが正解となり、パターン2では選択肢アが正解として納得できるでしょう。
「か細い声」は悲しい気持ちに繋がり、
「笑顔」や「真っ直ぐ」は前を向く気持ちに繋がります。
このように、国語の問題における気持ちや心情は、必ず根拠となる情報があるのです。
宮崎県高校入試ではこう出される!
今度は実際に、宮崎県公立入試の過去問(2019)をみてみましょう。
文章中に下線部①「泣くって、おかしいよ」とあるが、このときの良太の気持ちとして最も適当なものを、
次のア~エから一つ選び、記号で答えなさい。
ア 皆が二位という結果を受け入れていないことに満足している。
イ 皆が懸命に走っても結果が出ないことに不満をもっている。
ウ 皆の走りがあと三秒ずつ速ければよかったと思っている。
エ 皆の暗く沈んでいる様子を見て励ましたいと考えている。
著作権上、本文は割愛しますが、これを見ただけでも「想像」を誘う選択肢が並んでいるのが窺えます。
自分が「良太」の立場になって
想像力を働かせてしまうと、どの選択肢も正解に見えてきてしまうでしょう。
しかし、論理的に考えれば絶対に正解を1つに絞れるようになっているため、試験本番では、その正解の根拠となる表現を本文中から探す必要があります。
根拠となる情報を論理的に繋げていくというのは、国語の問題を解く上での生命線なのです。
今回の記事を通して、国語の問題で陥ってしまいがちな視点に気付けたでしょうか?
なんとなく文章を読んで、なんとなく選択肢を選んでいるようでは、
どれだけ多くの国語の問題を演習しても、決して国語力は伸びていきません。
大切なのは、「客観的な視点に基づいた論理的思考力」の向上です。
常日頃から出会う文章の中に、論理性を探し出す訓練を重ねてほしいと思います。
どうして、この登場人物はここでこう思ったんだろう?
なぜ、ここで筆者は突然こんな風に考えたんだろう?
文章を読んでいる過程で、そのように疑問を感じた経験はありませんか?
それこそが、論理的思考を磨く大きなきっかけの1つであり、登場人物や筆者がそう考える筋道を辿ろうとする意識こそ、論理的思考を育む練習となります。
教科書でも新聞でもネット記事でも構いませんので、とにかく文章に触れる機会を作った上で、
そこに登場する「論理」をどんどん見つけ出し、国語力を高めていってくださいね!
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